清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

改めて、国際政治学者の細谷雄一氏の著作を顧みて


改めて、国際政治学者の細谷雄一氏の著作を顧みて

 

 今までも細谷雄一氏の著書「安保論争」、「国際秩序」、「戦後日本の歴史認識」他を拝読して参りました。その中で、ロシアの突然とも思われるウクライナ侵攻がこの二ヶ月前から始まりました。歴史は繰り返すとの見方ではなく、私は新たな時代の始まり、と考えております。戦後の日本はいわば平和ボケの中に埋没し、現実を観ること、考えることを止めたかの様な感さえ、私は思っております。

 

 加えて、第二次世界大戦の終了後、中華世界の復権を図るという中国共産党独裁政権、むしろ習近平帝国による「一帯一路」の強引な進め方、現中国の急速な進展は第二次世界大戦後には予想外のことで、想定していたとは思えません。世界情勢・現実は大きく変貌したのです。

 

 上記の細谷雄一氏の「自主独立とは何か」は「歴史認識とは何か」に続くものですが、むしろ戦後史の開放1に続く著作と言うより、むしろ本書が本題とも言うべきものだと思います。「歴史認識とは何か」の冒頭において、「イデオロギー的束縛、時間的な束縛、空間的な束縛」から開放したいと記されております。

 

 尚、天児慧著「中国のロジックと欧米」及び、細谷雄一著「自主独立とは何か」は今回初めて読むものです。5月9日にロシアがナチス・ドイツ戦の戦勝記日になる、とのことですが、ウクライナ・ロシア問題他は今後、我国、日本国民にも甚大な影響を与えると私は考えております。平和、平和と唱えているだけの「平和ボケ」から脱出し、激しく動く世界の現実と日本が置かれている現状を認識すること。そして我国の現実の対策と行動が正に問われていると考えております。

 

 三書を読み通して、私なりの感想など、後日、改めて記してみたいと思っております。

 

 2022年5月9日

                       清宮昌章