清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

近況のこと

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近況のこと

 

 ここのところ、体調が今ひとつで、読まなければならない本が溜まる一方です。取り寄せた楊継縄著「文化大革命五十年」、並びにフランク・デイケーター著「毛沢東の大飢饉」も大著で読み応えはあるものの、まだ読み終わっておりません。尚、「文化大革命五十年」はその細部に亘る詳述に私としては、かえってその事実の信憑性に疑問をもいだきます。がいずれにもせよ近いうちに、他の溜まり続けた本をも読み込み、私なりの感想など合わせ記したいと思っております。

 

 また、今年一月に取り上げ、投稿した牧野邦昭著「経済学者たちの日米開戦」が数日前の報道では、第20回読売・吉野作造賞に決まったとのことです。さもありなんと思います。

 

 淸宮書房を始めて4年3ヶ月になります。そのブログは申しわけありませんが、超長い駄文で、お読み頂けないだろうと考えておりましたが、お陰様で、最近はアクセスも増え、30,000台になりました。加えて、60数編の投稿の内、注目記事として一位から五位に上げられた投稿に取り上げた本は私にとっては難解であり、理解不足の感も否めませんが、極めて興味深く、感銘を受け、自分なりの感想なども織り込むことができた投稿かなと思っております。度重なる宣伝で恐縮しますが、改めて下記の通りご紹介致します。

 

1.

佐伯啓思著「『アメリカ二ズム』の終焉』の投稿を省みて

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2019/05/02

 再々の拙稿にあたって 佐伯氏の著作については、今から4年ほど前になりますが、私がニューヨーク駐在時代(1978年~1984年)にお世話になった信託銀行の支店長(帰国後は副社長)に「日本の愛国心」を紹介され、深い共感を覚えました。そして、2016年7月に「日本の愛国心」の投稿となりました。その後も、「日本という価値」、「日本の宿命」、「正義の偽装」、「さらば資本主義」、「さらば民主主義」、「反・民主主議論」、「経済成長主義への決別」「従属国家論」等々と、次々と氏の著書を読み進めました。 2017年3月に「反民主主義論」、同年5月に「アメリカニ

2.
佐伯啓思著『「保守」のゆくえ』を読んで思うこと

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2018/05/14/165753

 ここのところ、個人的事象につき、数本の投稿をしてきました。今回は本来の軌道に戻り、読書後の私の感想など記して参ります。 佐伯啓思氏の著作については、今まで「淸宮書房」で「日本の愛国心」、「反民主議論」、「アメリカ二ズムの終焉」、「現代民主主義の病理」、「西田幾多郎 無私の思想と日本人」を取り上げてきました。掲題の「保守のゆくえ」は氏の『「脱」戦後のすすめ』に続く後編ともいうべき著作です。今年1月21日に自裁された氏の永年の友人である西部邁の「保守の精神」をできるだけ継承したいとの思いで書かれたとのことです。私としては、佐伯氏に僭越ながら…

3.
故・西部邁氏の自裁に思うこと

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2018/04/17

  この4月8日に投稿した「三年前を振り省みて」の中で、何故か急ぎ、西部邁氏の自裁直前の二作である「保守の遺言」、「保守の真髄」と「虚無の構造」を読み進め、近いうちに私なりの感想など纏めたい、と記しました。加えて、4月13日に、二年前の投稿「安全保障関連法案の施行について思うこと」の冒頭に、「再投稿にあたって」を加え、氏の視点の一端を紹介したわけです。故・西部邁氏に関心もあるのでしょうか、皆さんから、それなりの反応を頂いております。 因みに、最後の著作「保守の真髄」のその「あとがき」の日付は2018年1月15日、著書の発刊は2月27日。そして、自裁は1月21…

4.

再度・堀田江理「1941 決意なき開戦」を読んで

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2016/09/29

 テレビ等で報道される街の人の主語が「私」でなく、「国民」としてとか、「都民」としてと、話されることに私は違和感を持っていると記していました。偶々、1991年に逝去された山本七平の「戦争責任は何処に誰にあるか」に次のような指摘があり、この現象は今に始ったことではないのだな、と思ったところです。それは次の文章です。 戦後のようにテレビ・ラジオが普及し新聞・週刊誌等があふれると、いわゆる新鮮な「庶民感覚」がなくなり、すべての人が定型的インテリ的発言をするようになる。さらに意見がマスコミの口まねであるだけでなく、マスコミが怒れば怒り、非難す…

5.
阿南友亮著「中国はなぜ 軍拡を続けるのか」他を読んで

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2019/03/16

  2019年3月2日の日経新聞の「米、WTO改革で提案」に記事によれば、スイスのジュネーで2月28日に開かれた世界貿易機構(WTO)の一般理事会で米国が中国などを念頭に、経済発展を遂げた国は「発展途上国」としての恩恵を受けられなくする規定の導入を提案したとのこと。仮に中国が途上国でなくなれば通商交渉での立ち位置は大きく変わり、中国は反対しているようです。「月の裏側にロケットを飛ばした国を誰が途上国とみなすだろうか」と米国代表は中国を皮肉ったようです。方や、中国の習近平国家主席は2018年11月、パプアニューギニアで開かれた太平洋経済…

 

 2019年6月10日

                        淸宮昌章