清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

淸宮書房を振り省みて  

再び 淸宮書房を振り省みて

 

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 コロナウイ-ルス禍の中、日本のみならず世界経済・政治も甚大な影響を及ぼし、先行きもまったく不透明な深刻さを増している状況です。そのような状況下、アメリカの大統領選挙が行われるわけです。従来からもありますが、何故に急速に郵便投票をも含め全面的に全面的にしたのか、私としては信じられません。11月の第一火曜日に投票を行うのかは、宗教的な意味合いも含んだ長い歴史を持つもので、一過性のコロナ禍に際して思うことは、何故に、その直接投票の伝統をいとも簡単に変え、例外扱いではなく、郵便投票も大々的に選択したのか、私は不思議に思うところです。トランプかバイデンか、いずれかに決まるでしょうが、その票数結果につき揉めることは必至。バイデンの投票数が多ければ大統領は年内には決まらず来年にずれ込む可能性は大、と私は考えておりました。現在ではその危惧が現実になった訳です。その可能性・混乱を最も期待しているのは中国共産党独裁政権ではないでしょうか。かって、チャーチル英国首相が述べたように民主主義制度は完全無欠のものではありませんが。結果的には民主主義制度そのものが問われることになったように考えます。

 

 大きく世界情勢も変動する中、上掲のアメリカ初の女性国務長官・マデレーン・オルブライト著「ファッシズム」を読んでいますが、非常に貴重な著書と考えます。続いて、ケンブリッジ大学・デイビッド・ランシマン教授の「民主主義の壊れ方」、ジェイソン・スタンリーの「ファシズムはやってくるか」等を手元に置きました。近いうちに私なりの感想など記してみたいと思っています。

 

 さて、5年半程前になりますが、読んだ本の印象等、自分なりに記憶に残して置こうとブログ「淸宮書房」始めました。本屋と思われる方も見えますが、単なる私の趣味で、90数編の駄文を書き連ねて参りました。72歳で一線を全て退き、午前中はテニス、午後からは読書中心の気楽な日々を過ごしている、健康だけが取り柄の、81歳の者です。尚、未だ現役の友人もいる中、何か申しわけない気持ちもあります。

 コロナ禍の自粛生活の影響でしょうか、弊ブログへのアクセスは増え、この8月は既にアクセス数が1,600近く、総数は50,000台になり、感謝しております。また、ここ数ヶ月に投稿した記事が、ブログ「淸宮書房」の注目記事の1番から5番の順位を占めております。2020年10月28日時点の下記に掲げた投稿でなく、本投稿の最後に記されておりますが、新たに修正・加筆した投稿が、とって変わりました。

 加えて、本投稿の下に挙げた投稿には、そのコメント欄に貴重なコメントを頂いており、参考にさせて頂くと共に感謝、感謝です。

 尚、蛇足になりま下記の下記の小島誠二郎著「小説 永井荷風」は二年前に東京都武蔵野市の昔風の、とある古本屋で、偶々見つけたものです。その著作が出版に到るまでには本書の「あとがき」から35年を要し、更に私が本書を手にしたのは、それから12年後、従い、文学に疎い私が高校一年の時、京成電車の中で永井荷風とはまったく知らずに、出会っていた思い出をも含め記す迄には47年、約半世紀の期間が経過しております。その投稿が現在でも5番目というのが私は不思議というか、妙な思いを感じているところです。

 

 以下は2020年10月28日、現在の順位です。

 

1.姜尚中「朝鮮半島と日本の未来」他を読んでみてhttps://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2020/08/27/135610

姜尚中「朝鮮半島と日本の未来」他を読んでみて はじめに 今日8月15日は終戦(敗戦)記念日です。75年前の当時も、とても暑い日でした。東京大空襲の中、本所小梅の隅田川の側、燃え落ちる横川橋の袂で、私達6人家族を含め数家族が奇跡的に生き延びました。焼け出され、被災を逃れた東京向島の叔母の家で、8月15日、あの異様な沈黙の中、親戚の人たち、母、姉、5歳の私には意味は全く分かりませんが、玉音放送をかしこまって聞いたわけです。そうした私の思いで他は今年3月4日、弊ブログ「淸宮書房」の投稿、加藤陽子著「天皇と軍隊の近代史」の中でも、触れております。 方や、ブログ「淸宮書房」の最初の投稿は2015年3月の…

 2.矢吹晋著「中国の時代の超え方」他を一読してhttps://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2020/09/24/112035

矢吹晋著「中国の時代の超え方」他を一読して はじめに 上に掲げた著書は、私がここ数週間の中で一読したものですが、相互に関係をもつものではありません。ただ、矢吹晋著「中国の時代の超え方」を読み進める中で、ふと、現在の中国共産党独裁政権を見る上で、人民解放軍とは何か、その歴史はどのような推移を辿ってきたのか。更には悲劇的現状に置かれている香港はどうなるのか、との思いもあり、「中国共産党と人民解放軍」そして「香港と日本」を並行して読んだ次第です。 その1 矢吹晋著「中国の時代の超え方」 今年の4月、石井知章・及川淳子編「六四と一九八九 習近平とどう向き合うのか」他を読んで、とブログ「淸宮書房」に投稿…


3.木村幹・田中悟・金容民「平成時代の日韓関係」を顧みて  https://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2020/10/17/161319       

 

木村幹・田中悟・金容民「平成時代の日韓関係」を顧みて はじめに その1 日韓関係の問題については、2015年3月の弊ブログの始めの投稿である木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か・・歴史教科書・慰安婦・ポピュリズム」(2014年10月発刊)を取り上げ、その後も、最も多くの関連した投稿をして参りました。日中関係と並び、日韓問題は私の大きな関心事でもあります。 上掲の著書は木村幹氏の前作に続くもので、木村氏他、韓国の学者の方々がそれぞれテーマに沿って執筆された作品です。尚、木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か・・」では第二次世界大戦から2010年初頭までの状況を考察し、論じられたものです。 方や、上掲の…


4.加藤陽子著「天皇と軍隊の近代史」(勁草書房)を読んで思うこと
https://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2020/03/04/151630

加藤陽子著「天皇と軍隊の近代史」(勁草書房)を読んで思うこと はじめに 人生の大半を生きた昭和の時代を自分なりに再検討し、僭越ながら今を観ようとしている私にとり、本書はとても参考になりました。加藤氏の著書に今までも数冊、目を通して参りましたが、疑問に思っていた宣戦布告無き日中戦争、敗戦時の日本軍武装解除等についても、今回の本書を読むことにより改めて明らかにして頂きました。 著者は数々の印象に残る文章を本書の随所に記しています。歴史への研究視点・観点については次のように述べられております。 東大経済学部の小野塚智二教授の教養課程の学生に向けた文章として、「経済学の目的を市場の諸現象と、それに関連…

5.小島政二郎著「小説 永井荷風」に遭遇してhttps://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2018/07/11/123752

小島政二郎著「小説 永井荷風」に遭遇して 再投稿 一年ほど前に投稿したもので、私のかすかな思い出も入れながら記したものです。何故か、この11月に入り、66編の投稿の中で注目記事の5番目になっております。その理由は分かりませんが、今までの投稿の中では少し趣が異なっております。何か嬉しくなり、改めて、以下ご紹介する次第です。 2019年11月21日 淸宮昌章 はじめに 東京都武蔵野市吉祥寺に所用があり、その帰り道、とある古本屋を覗きました。神田以外ではほとんど姿を消した、かっての風情を残す古本屋で見つけたのが掲題の本書です。 私は文学について素養がないこともありますが、永井荷風については「濹東綺譚…

 

  2021年8月28日

                           淸宮昌章