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清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

自費出版「書棚から顧みる昭和」(言の栞舎)のその後

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はじめに

 

  平成26年4月、「書棚から顧みる昭和」(言の栞舎)の自費出版の後、お読み頂いた諸先輩、友人達からは身にあまる好評、多くの方々からも相応の反応を頂きました。また、資料として参考にさせて頂いた月刊誌「選択」、拓殖大学海外事情研究所にも、恥ずかしながら、お礼の意を込め拙著を贈呈いたしました。選択の編集者・発行人の湯浅次郎氏からは丁重なお手紙、また海外事情研究所の荒木和博教授からは大学の図書館ないし適当な資料室に置かせて頂く、と心のこもった取り急ぎとのメールを頂きました。皆様に深く感謝しております。

   尚、その拙著の文章においても反省点が多く、ここ数ヶ月は読書にもなんとなく身が入らず、焦りを感じておりましたが、やっと心の整理がつき始めたところです。

 

ここ数ヶ月の読書

 

  相変わらず手に取る書には何らの統一性もありません。ただ、ここ数ヶ月で一読した書は、

 

半藤一利荷風さんの昭和」(ちくま文庫)、再読の必要を感じた司馬遼太郎「昭和という国家」(NHK BOOKS)。10年ほど前の発刊となりますが、占領とは何であったのか問う、五百旗頭真「日米戦争と戦後日本」(講談社現代文庫)、入江昭「歴史化が見る現代世界」(講談社現代新書)、同氏著「歴史を学ぶということ」(同出版)、鶴見俊輔「戦時期の日本の精神史 1931~1945年」(岩波現代文庫)。私としては聊か抵抗を感じる田中伸尚「靖国の戦後史」(岩波文庫)、そして清算されなかったドイツの過去との比較を述べる木佐芳男「戦争責任とは何か」(中公新書)です。

 

   加え、最近出版されたヘンリー・ストークス「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)、渡辺利夫「アジアを救った近代日本史講義」(PHP新書)、丹羽宇一朗「中国の大問題」(PHP新書)。研究論文とも評すべき大谷正「日清戦争」(中公新書)。そして再読になりますが松本清張史観宰相論」(ちくま文庫)となっています。

 

   右派的とも言われる著者の方もいますが、私にはそれぞれが参考になる著書でした。とりわけ松本清張の「史観宰相論」は昭和を考える上で、また松本清張による一連の昭和に関する清張史観を理解する史料として、極めて貴重なものと考えています。尚、本書の解説で北岡伸一氏が「岸信介を書けば面白かったと思うが、ほとんど触れていない。」と記していますが、僭越ながら私も共感するところです。

   また大谷正氏の「日清戦争」はその視点に偏りを私は覚えますが明治、大正、昭和、そして平成という一連の時代を考える上で、更には現在の歴史認識といわれる諸問題を考える上で新書版ですが、貴重な著書でした。色々と見方は違うでしょうが、ご一読下さい。

 

 2015年4月8日

                        清宮昌章