清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

2015-01-01から1年間の記事一覧

「アメリカは忘れない・・記憶のなかのパールハーバー 」(法政大学出版局)       エミリー・S.ローゼンバーグ 訳飯倉章を再読して

再投稿に当たって 今日は12月8日、いわゆる太平洋戦争の発端となった真珠湾攻撃の日に当たるます。アメリカでは、どのように「パールハーバー」を捉えたでしょうか。 2001年9月11日のWTCビル倒壊等のアメリカ同時多発テロが起こり、「リメンバー パールハーバ…

再・昭和天皇について思う

再・昭和天皇について思う【後編】 2 章 山本七平「裕仁天皇の昭和史」 山本七平は三代目キリスト教徒でもあり、幸徳秋水の大逆事件に関わった姻戚を持つ人でもあります。「山本学」とも評される独自の世界を築いてきた方ですが、一時は保守反動の元凶とも…

再・昭和天皇について思う

再・昭和天皇について思う【前編】 はじめに 高齢になられた現天皇陛下並びに皇后陛下の御活動に国民が感謝し、そしてその賛意の空気なかで、生前退位がされる運びのようです。方や、私は今後の象徴としての天皇家のご活動はどのような状況になられるのか、…

筒井清忠「近衛文麿 教養主義的ポピュリストの悲劇」他への覚書 【後編】

(注)2021年5月4日再投稿の後編です 著者の筒井清忠氏は1948年生まれ、京大文学部卒後、京大教授を経て現在は帝京大学教授で、日本近現代史・歴史社会学・日本文化論を専門とする学者です。 本書は、「近衛文麿の悲劇とは何か」から始まり、「誕生と…

筒井清忠「近衛文麿」 教養主義的ポピュリストの悲劇(岩波現代文庫)他への覚書 【前編】

再投稿にあたって このコロナ禍による自粛生活もあるのでしょうか、ここのところ過去の投稿を見直し、時には補足し、再投稿しております。今回は補筆をしておりませんが、下記投稿もそのひとつです。残念ながら、今となってはその東京オリンピックの中止の決…

改めて・ズビグニュー・ブレジンスキー著「ブッシュが壊したアメリカ」を思い起こして・・【後編】

再投稿、その上に長い駄文で恐縮しますが、今日性の課題も含んでいると、思います。改めて一覧頂ければ幸いです。 2021年9月22日 第三章・「先代ブッシュの負の遺産」(湾岸戦争の勝利の立役者が残した禍根)では、先代ブッシュの任期はユーラシア大…

ズビグニュー・ブレジンスキー著「ブッシュが壊したアメリカ」を思い起こして・・【前編】

再投稿 コロナ禍の緊急事態宣言下、9月29日の自民党総裁選挙。そして衆議院議員選挙と続く中、私は改めて5年前の2015年8月の投稿を読み返しました。手前味噌ですが、古さを感じなく、改めて再投稿する意味もあるかなと思った次第です。後編は同年9月14日です…

安全保障関連法案に関連して

前月の7月13、20日に「世相に想う」ということで、上記「安全保障関連法案に関連して」との駄文を載せました。現国会で本法案が審議されているからでしょうか、いつもより多くの感想を皆様から頂きました。 高校時代からの畏友による、理路整然とした6項に纏め…

安全保障関連法案に関連して【 後編 】

服部龍二著「広田弘毅」 我々が今なお、今次大戦を問い続け、否問い続けざるをえない中にあって、本書は何故に日本が太平洋戦争に突入し、そして敗戦に至ったのか。世論を作り出す、そのときの言論機関・マスコミはどうであったのか。そういった諸々の歴史経過…

安全保障関連法案に関連して【 前編 】

服部龍二著「広田弘毅・・悲劇の宰相の実像」(中公新書)他への雑感 今国会で大幅に会期を延長しているものの、安全保障関連保障法案の国会質疑は大きく変貌している地政学的変動とも言うべき現実を軽視した、またもや神学論争に陥ってきた感を否めません。…

今週のお題「私がブログを始めたきっかけ」

昨年の4月、「書棚から顧みる昭和」を自費出版しました。友人4人が発起人となり内幸町で出版記念の会を開いてくれたこともあり、友人・知己から身にあまる高評を頂きました。また出版に当たり引用させて頂いた月刊誌[選択]、拓殖大学海外事情研究所。及び…

「戦艦大和の最後」の吉田満を巡って・・その3 

はじめに 現役を離れて数年が経ち、改めて自らの生き方というか、在り方に大きな影響を与えた四人を此処にあげてみました。 先ず学生時代に鮮烈な印象を与えた むのたけじ。元朝日新聞社の記者で終戦後、戦時中の自らの記者としての責任をとり、更には報道機…

「戦艦大和の最後」の吉田満を巡って その2

前回、粕谷一希著「鎮魂 吉田満とその時代」の中で、吉田満が学生時代に東大法律学科の親友である和田良一氏と交わされた書簡のことも紹介いたしました。偶々、昨年(平成17年)12月にその良一氏のご子息の和田一郎弁護士とお会いする機会ができ、改めて吉田…

「戦艦大和の最後」の吉田満を巡って・・その1

はじめに 昨年(2014年)の年末のことですが、久しぶりに自宅の襖、障子張替えを本職に頼まざるを得ず、近所の表具屋さんに来てもらいました。今まで近所に住みながら初めてお会いする田所義行氏です。最近になり海底に沈んだ戦艦武蔵の映像が放映されておりま…

杉本信行「大地の咆哮・・元上海総領事が見た中国」を再読して

はじめに 本書は今から9年前の2006年7月に発刊されました。著者の杉本信行氏は、一部のマスコミで叩かれた外務省の所謂「チャイナスクール」の外交官の一人でした。 2004年春、上海総領事館員が中国公安部より強迫され、「このままでは国を売らない限り出国…

多田井喜生著「昭和の迷走 第二満州国に憑かれて」を読み通して

はじめに 雑感 著者は1939年生まれで日本不動産銀行(日本債券信用金庫)、日本総研を経て退職され、「朝鮮銀行史」を含め数多くの著作を出されています。本書は2014年11月に発刊されました。大陸計略の黒幕であるという勝田主計蔵相の日記等の一次資料を長…

再び・日韓、日中の関係(相互の嫌悪感)・・・地政学的な危機(その2)

(注)2018年1月22日の続編です 今、思うこと 昨今の週刊誌、テレビ、新聞等のマスメデイアによる報道振りを見るにつけ、その真意、あるいはその信憑性は別として、私は戦前の新聞報道による劇場型政治へ意図的展開の状況を思い起こします。1925年の「朴烈怪…

再び・日韓、日中の関係(相互の嫌悪感)・・・地政学的な危機(その1)

再投稿にあたって 本投稿は二年ほど前のものです。今月1月18日の投稿に結果的に続くような、一連の日韓歴史認識問題にも言及した、2013年2月に発刊された三谷太一郎氏の著作等への私の感想等を記したものです。氏は2002年から2005年に亘り、「日韓歴史共同研…

自費出版「書棚から顧みる昭和」(言の栞舎)のその後

はじめに 平成26年4月、「書棚から顧みる昭和」(言の栞舎)の自費出版の後、お読み頂いた諸先輩、友人達からは身にあまる好評、多くの方々からも相応の反応を頂きました。また、資料として参考にさせて頂いた月刊誌「選択」、拓殖大学海外事情研究所にも、恥…

イアン・ブルマ「廃墟の零年 1945」(訳 三浦元博・軍司泰史 白水社)を読んで

勘違いされる方はいないと思いますが、著者は1951年、オランダ生まれのアジア研究者です。「Gゼロ後の世界」を著したイアン・ブレマー氏ではありません。 偶々、日経紙上で掲題本書の書評を見、一読いたしました。私にとっては、やや期待外れの感もありますが…

再・木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か・・歴史教科書・『慰安婦』、ポピュリズム]

再・再投稿にあたって 日韓関係については弊ブログでも何度となく取り上げて参りました。取り上げてきた理由のひとつは日韓関係が年を経過するにつれ、良好な関係に近づくどころか悪化。むしろ最悪の状況は今後も続き、その改善は世紀を超えてもあり得ないの…

再び・澤田克己著「韓国『反日』の真相」(文春新書)を読んで

再投稿にあたって 約二年前の投稿ですが、木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か」に加筆し、再投稿しました。日韓合意の問題が生じたこともあるのでしょうか、お陰様で多くのアクセスを頂き、私の50編近くに及ぶ拙稿の中、注目記事の一位に取って代わりました…

事始

今日からブログを始めました。