清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

コロナ禍にあって思うこと

コロナ禍にあって思うこと

 

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 今読み進めている、アメリカ初の女性国務長官となったオルブライト著「ファシズム(2020年10月1日 発刊)」は極めて興味深い、時期を得た好著と思っています。

 

 本書の題7章で「トランプが大統領に当選したのは、自分は歯に衣着せぬ真実の語り部であり、交渉の達人であり、実力を伴ったアメリカの代弁者であるという主張が、勝つべき州で十分な数の有権者に受け入れられたからだ。実際のところ彼がそのどれでもないという事実は、私達を不安に陥れるだろうが、それとは別にもっと大きな不安の種がある。トランプが現代アメリカ史上初の反民主主義的な大統領であることだ。」と、記しております。

 

 氏は1939年生まれ、チエコスロバキアでユダヤ系カトリックの家系です。一家はナチスから逃れロンドンに亡命、更にナチ崩壊後はチエコに戻るものの、共産党単独政権の樹立となり、更にアメリカに亡命。その後、アメリカ国籍を持つわけです。氏の多くの親族はナチス強制収容所で殺害された、とのことです。そうした経歴を持つ氏の語る「フアシズム」とは何かは興味深く、読み進めているところです。後日、改めて感想など記すつもりです。

 

 方や、中国を起源とした今回のコロナ禍は全世界に多大な影響を与え、その収束は未だ目処も立たない状況です。日本も戦後最大の経済危機に陥る怖れがあるわけです。加え、前回の弊ブログ「淸宮書房を顧みて」で、アメリカ大統領選挙の投票後も投票結果は決まらず、来年にずれ込む怖れがある、付言しました。今回のアメリカ大統領選挙の経緯・結果、そしてその後遺症はアメリカの力の空白をもたらし、世界、特に日本にも大きな影響を及ぼすものと考えております。

 

 中国共産党独裁政権の急伸、加え、海外事情(2020・9・10)の中で拓殖大学海外事情研究所教授・名越健朗氏も付言されているように、中国が干渉を強める尖閣諸島周辺にロシア海軍軍艦の出没等、謂わば「中ロ準同盟」への様相も考えなければならないのではないでしょうか。片や、アメリカは尖閣問題に関わる余裕などは最早ないでしょう。日本は極めて容易ならぬ状況に追い込まれたと、私は考えています。片や、元徴用工問題も加えた隣国韓国と関係は最悪の状況を日本は抱えております。

 

 そのような状況下にありながら、現国会の論議と称するものは一体何なのでしょうか。日本共産党は基本的にまったく異なる思想を持つ集団と私は考えており、その更なる拡大はないでしょうが、その党は決して消えることはなく、一定の影響を及ぼし続けていくでしょう。日本共産党歴代委員長はどのようにして長くその地位にいられるのでしょうか。私は不思議な党・党員と思っています。

 片や、立憲民主党は党としてどのような理念・思想、そして施策を持っているのでしょうか。私には単に政府に反対する存在としか見えないのです。政党としての存在意義を果たして何なのでしょうか。

 

 そんな、もやもやとした現在の私の想いです。上記とは直接の関連はありませんが、お陰様でこの一週間で弊ブログへのアクセスを320近く頂き、総アクセス数も4万台になりました。加え、先月の17日に投稿した「木村幹・田中悟・金容民編者『平成時代の日韓関係』を顧みて」、が何故か、ここに来て、注目記事の一位に返り咲きしました。上掲のオルブライト著「ファシズム」は朝鮮半島国家のファシズムにも言及しており、とても参考になりました。

 

  私としては弊ブログの最初の投稿が日韓関係についての駄文であり、その後も度々、日韓関係につき投稿して参りました。以下は最新の日韓関係を綴った長い駄文ですが、宣伝を兼ねて改めてご紹介致したく、お時間とご興味があれば、覗いて頂ければ幸いです。

 

淸宮書房を振り省みて  https://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2020/10/28/170336

淸宮書房を振り省みて コロナウイ-ルス禍の中、日本のみならず世界経済・政治も甚大な影響を及ぼし、先行きもまったく不透明な深刻さを増している状況です。そのような状況下、アメリカの大統領選挙が行われるわけです。従来からもありますが、何故に郵便投票をも含めた投票にしたのか、私としては信じられません。11月の第一火曜日に投票を行うのかは、宗教的な意味合いも含んだ長い歴史を持つもので、一過性のコロナ禍に際して思うことは、何故に、その直接投票の伝統をいとも簡単に変え、郵便投票も選択肢にしたのか、私は不思議に思うところです。トランプかバイデンか、いずれかに決まるでしょうが、その票数結果につき揉めることは必至…

 

 2020年11月4日

                           淸宮昌章