清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

新年に際し

新年に際し

 

 

 

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 昨年は傷めた右脚も完治し、テニス漬けの日々に戻りました。ストロークのスピードは以前より一段と速くなった、との仲間の評でもあります。一方、右手の痺れがでましたが、フェイスブックの友人の薦め、更には紹介された整体師に通い、だいぶ改善しております。この右手の痺れにより、本書房への昨年の投稿回数は、ここ数年に比し少なく10件でした。今年はその痺れもほぼ治り、もう少し頑張ってみようと思っております。今年で80歳になりますが、気を新たにし、テニスと読書漬けの日々をもう少し送っていこうと楽観的に考えております。

 

 上に示した加藤陽子氏著「天皇と軍隊の近代史」は昨年10月に発刊されました。氏はご存知のように日本近代史を専攻とされる著名な学者ですが、私は今まで氏による「昭和天皇と戦争の世紀」、「満州事変から日中戦争」、半藤一利氏との共著「昭和史」等々、読み通してきました。氏の綿密な調査及び膨大な資料から導き出される著作に、私は僭越至極ですが学者の在り方に感銘を受けて来ました。今回の著作も400頁近くの大作で、時間がかかると思いますが読み通し、私なりの感想など後日になりますが記したいと、思っております。

 

 下記は蛇足というか、宣伝です。昨年末における拙稿、補筆等を加えますと70件以上になりますが上位5番迄の注目記事と言うことです。私にはその順位に世情をも影響するのでしょうか、興味深いものを感じたところです。

 

 一位から五位は以下のとおりです。

再び、筒井清忠著「戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道」を読んで  http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2018/03/11 

 再び、筒井清忠著「戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道」を読んで 再投稿にあたって 首相主宰の「桜を見る会」を巡って、またも愚劣な政治ショウが始まった、私の印象です。何時もながら国会審議と称する議会で、あたかも正義の仮面を被ったかの如き主張、質問を浴びせる野党議員御自身、更にはその議員が所属する野党はそれほど清廉潔白なのでしょうか。離散・集合を繰り返す野党の政党交付金残高の推移ひとつを見ても、野党各党は果たして清廉潔白と言えるでしょうか。強いては、頻繁な離散・集合現象は自らが選ばれた選挙そのものへの問題をも含むのではないでしょうか。 野党各党はそれぞれが数%の支持率しかないのは何故なのか。何

再度・堀田江理「1941 決意なき開戦」を読んでhttp://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2016/09/29/175204 

 再度・堀田江理著「1941 決意なき開戦」を読んで はじめに テレビ等で報道される街の人の主語が「私」でなく、「国民」としてとか、「都民」としてと、話されることに私は違和感を持っていると記していました。偶々、1991年に逝去された山本七平の「戦争責任は何処に誰にあるか」に次のような指摘があり、この現象は今に始ったことではないのだな、と思ったところです。それは次の文章です。 戦後のようにテレビ・ラジオが普及し新聞・週刊誌等があふれると、いわゆる新鮮な「庶民感覚」がなくなり、すべての人が定型的インテリ的発言をするようになる。さらに意見がマスコミの口まねであるだけでなく、マスコミが怒れば怒り、非難す

 

 

小島政二郎著「小説 永井荷風」に遭遇してhttp://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2018/07/11/123752 

 小島政二郎著「小説 永井荷風」に遭遇して 再投稿 一年ほど前に投稿したもので、私のかすかな思い出も入れながら記したものです。何故か、この11月に入り、66編の投稿の中で注目記事の5番目になっております。その理由は分かりませんが、今までの投稿の中では少し趣が異なっております。何か嬉しくなり、改めて、以下ご紹介する次第です。 2019年11月21日 淸宮昌章 はじめに 東京都武蔵野市吉祥寺に所用があり、その帰り道、とある古本屋を覗きました。神田以外ではほとんど姿を消した、かっての風情を残す古本屋で見つけたのが掲題の本書です。 私は文学について素養がないこともありますが、永井荷風については「濹東綺譚…


牧野邦昭「経済学者たちの日米開戦」を読んで
http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2019/01/07/100818 

 牧野邦昭著「経済学者たちの日米開戦」を読んで はじめに かって、私が参加していた某読書会の慶大経済学卒の畏友・堀口正夫氏より、昨年11月、次の文面が届きました。 昭和15年1月、秋丸次郎陸軍中佐を中心とした調査部が設立された。俗に「秋丸機関」と呼ばれ経済戦の調査研究を目的とし、有沢広巳、中山伊知郎、竹村忠雄,佐藤弘、近藤康男、大川一司、森田優三等多くの学者が集められ、英米班、ドイツ班、ソ連班、日本班に分かれて、経済力、抗戦力の調査を行った。 小生が大学3年生のとき、「原論特殊講義」という外部からの講師を招いて行われる科目があった。その中の一つとして「現代経済論」という、竹村忠雄氏の講座があった…

十川信介著「夏目漱石」を読んでみてhttp://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/entry/2017/08/19/113339 

 十川信介著「夏目漱石」を読んでみて 再投稿 加筆を加えますと、この4年強の間に70編を超える駄文を投稿しております。私としては僭越至極ながら、人生の大半を過ごした昭和の時代を再検討し、今を考えようとの思いで綴って参りました。そうした一連の流れの中、ちょっと異なる感想を綴った拙稿です。繰り返しで恐縮しますが、改めて一覧頂ければ幸いです。 2019年12月23日 淸宮昌章 はじめに 私の書棚に「三木清全集19巻」、並びに「夏目漱石全集17巻」及び「月報が」鎮座しております。夏目漱石全集の第一巻・我が輩は猫である、は昭和40年12月9日発刊、そして19巻・索引 は昭和51年4月9日の発刊です。毎年の…

 

 2020年1月5日

                                   淸宮昌章