清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

ブログ『淸宮書房」について

ブログ「淸宮書房」について

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その1 淸宮書房の発端と今

 

 今から4年ほど前になりますが、数ヶ月後に75歳になる2015年3月15日にブログ「淸宮書房」を立ち上げました。その意図は、2014年に拙著「書棚から顧みる昭和」を出版した後も、引き続き読み込んだ著書について、自分なりの感想、あるいは想いを記録として残して置くことは意味があるかもしれない、と勝手に考えたわけです。

 そして遅々とはしておりますが、64編の極めて長い駄文である現在の投稿となっております。ブログとしてはあまりにも長く、目を通して頂ける方は極めて少ないと思っておりましたが、お陰様で、現在のアクセス数は32000台となっております。海外在住の若い方も読んで頂いているようです。私としては驚きながらも、全ての皆様に感謝申し上げると共に本ブログを続ける上で、私への大きな励みにもなっております。

 

 この数ヶ月は右手のしびれのため、残念ながらパソコンも打てず、投稿も滞っております。方や、8月という敗戦記念日(?)の為、あるいは現下の大きく変化する世界情勢の為でしょうか、敗戦に関わる数年前に投稿した駄文が注目記事の上位5番内に入ってきております。

 

 また、現下の日韓問題については、文大統領は一つの思想というか、想いにこり固まった人物と思っており、その登場時点から日韓関係は極めて危険な状態になると記して参りました。尚、現在の日韓関係を述べたものではありませんが、日韓歴史認識問題についての投稿は、当ブログの最初の投稿でした。本投稿の「補足」にて、改めてご紹介致します。お時間とご興味があればの上ですが、ご一覧頂ければ幸いです。

 

 一方、吉田茂没後50年ということで、改めて発刊された吉田茂「日本を決定した百年 附・思い出す侭」(中公文庫)、同「大磯随想・世界と日本」(中公文庫)、並びに高坂正尭「宰相・吉田茂」(中公クラシックス)は明晰な文章で吉田茂を語っており、感銘を受けました。加えて、松富かおり氏著「エルドアンのトルコ」は三つの世界の歴史的必然という観点に立ち、記されたものです。現エルドアン大統領によるイスラム教回帰とロシア並びに価値観が大きく異なる共産党独裁政権の中国に近づく現在のトルコの現状。加えて、激しく変動する世界、そして日本の在り方、及び我々自身の在り方をも情熱を持って語られております。体調が戻り次第、先ずもって「エルドアンのトルコ」について、僭越至極になりますが、私なりの感想など、記したいと思っております。尚、読みたいリャオ・イーウ-「銃弾とアヘン 『六四天安門』生と死の記録」(白水社)が今日、届きました。

 

 この8月に大きく変わった順位ですが、以下ご紹介致します。

 

1.再度・堀田江理「1941 決意なき開戦」を読んでhttp://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2016/09/29 

再度・堀田江理著「1941 決意なき開戦」を読んで はじめに テレビ等で報道される街の人の主語が「私」でなく、「国民」としてとか、「都民」としてと、話されることに私は違和感を持っていると記していました。偶々、1991年に逝去された山本七平の「戦争責任は何処に誰にあるか」に次のような指摘があり、この現象は今に始ったことではないのだな、と思ったところです。それは次の文章です。 戦後のようにテレビ・ラジオが普及し新聞・週刊誌等があふれると、いわゆる新鮮な「庶民感覚」がなくなり、すべての人が定型的インテリ的発言をするようになる。さらに意見がマスコミの口まねであるだけでなく、マスコミが怒れば怒り、非難す…

 

2.牧野邦昭「経済学者たちの日米開戦」を読んでhttp://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2019/1 

牧野邦昭著「経済学者たちの日米開戦」を読んで はじめに かって、私が参加していた某読書会の慶大経済学卒の畏友・堀口正夫氏より、昨年11月、次の文面が届きました。 昭和15年1月、秋丸次郎陸軍中佐を中心とした調査部が設立された。俗に「秋丸機関」と呼ばれ経済戦の調査研究を目的とし、有沢広巳、中山伊知郎、竹村忠雄,佐藤弘、近藤康男、大川一司、森田優三等多くの学者が集められ、英米班、ドイツ班、ソ連班、日本班に分かれて、経済力、抗戦力の調査を行った。 小生が大学3年生のとき、「原論特殊講義」という外部からの講師を招いて行われる科目があった。その中の一つとして「現代経済論」という、竹村忠雄氏の講座があった…

 

3.筒井清忠著「戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道」を読んで  http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2018/03/11 

筒井清忠著「戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道」を読んで 投稿にあたって 昨今の国会審議を見ていて、やりきれないと思うのは私だけでしょうか。本来,審議・討議すべき法案は何ら触れず、関連事項と称するものに莫大な時間を労し、時には審議も欠席放棄、そして時間だけ進んでいくこの現状は一体、いつから始ったのでしょうか。籠池夫婦の逮捕拘留にも繫がった森友学園問題、更には天下り斡旋問題で引責辞任し、不可解の言動を繰り返す文部科学省前川喜平前次官が述べる加計学園の忖度問題等々、マスメデイア報道は実に嘆かわしいことではないでしょうか。奇しくも今回、私が掲題の筒井清忠氏が本書で取り上げておりますが、戦前の若…

 

4.阿南友亮著「中国はなぜ 軍拡を続けるのか」他を読んでhttp://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2019/03/16 

阿南友亮著「中国はなぜ 軍拡を続けるのか」他を読んで はじめに 2019年3月2日の日経新聞の「米、WTO改革で提案」に記事によれば、スイスのジュネーで2月28日に開かれた世界貿易機構(WTO)の一般理事会で米国が中国などを念頭に、経済発展を遂げた国は「発展途上国」としての恩恵を受けられなくする規定の導入を提案したとのこと。仮に中国が途上国でなくなれば通商交渉での立ち位置は大きく変わり、中国は反対しているようです。「月の裏側にロケットを飛ばした国を誰が途上国とみなすだろうか」と米国代表は中国を皮肉ったようです。方や、中国の習近平国家主席は2018年11月、パプアニューギニアで開かれた太平洋経済…


5.佐伯啓思著「『アメリカ二ズム』の終焉』の投稿を省みて
http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2019/05/02 

佐伯啓思著「『アメリカニズム』の終焉」の投稿を省みて 再々の拙稿にあたって 佐伯氏の著作については、今から4年ほど前になりますが、私がニューヨーク駐在時代(1978年~1984年)にお世話になった信託銀行の支店長(帰国後は副社長)に「日本の愛国心」を紹介され、深い共感を覚えました。そして、2016年7月に「日本の愛国心」の投稿となりました。その後も、「日本という価値」、「日本の宿命」、「正義の偽装」、「さらば資本主義」、「さらば民主主義」、「反・民主主議論」、「経済成長主義への決別」「従属国家論」等々と、次々と氏の著書を読み進めました。 2017年3月に「反民主主義論」、同年5月に「アメリカニ

 

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その2.淸宮昌章「書棚から顧みる昭和」(言の栞舎)

 

 本書は私が73歳で一線をある面では強引でしたが全て退き、自由の身になった2013年の秋、テニス仲間でもある日経BP社の元編集者・井関清経氏が、東京国立で開かれている読書会に提出していた私の数十本の原稿を読み、本にしませんか、とのことで自費出版の運びとなりました。尚、そうした原稿は昭和の時代の大半を過ごした私が、僭越ですが自分なりに昭和の時代を再検討したく書き連ねたものでした。そして井関氏は同時に「言の栞舎」を立ち上げ、本書が第一号の出版になった次第です。尚、本書の装幀デザインは氏の奥さんである かわさきのりこ さんです。そのデザインは私がクリスチャンであることもあり、十字架の意も込められております、とのことです。

 

 私としては予想外の進展となりましたが、親友を含め友人三人が発起人となり、東京内幸町のシーボニアメンズクラブで出版記念会が開かれました。私が長年お世話になった岡谷鋼機(株)の岡谷社長からも盛大のお花を頂くと共に、常務及び先輩・後輩も出席頂きました。大学ゼミ仲間、高校時代の友人、又、私が岡谷鋼機を卒業後、次々と企業の再生・再建を懇請されることになり、その時代にお世話になった大手弁護事務所代表の先生、その時々の会社の役員、幹部社員、労働組合の委員長、書記長、色々と助言を頂いた仕入れ先の社長の皆さん、更には携わってきたNPO法人の理事長並びに事務局長、そして現在のテニス仲間の皆様が出席され、それぞれの方々から身に余るお言葉を頂きました。改めてその時代のそれぞれのことが思い起こされ、感慨深い貴重な時を過ごさせて頂きました。蛇足になりますが、その後、私もシーボニアメンズクラブの会員になりました。

 

 そして、一瞬のうちに私にとっても記念本である200冊は私の書棚の二冊を残すのみとなりました。尚、国会図書館、地元練馬区の図書館に送るとともに、資料として種々参考にさせて頂いた拓殖大学海外事情研究所、月刊誌「選択」にもお送りし、教授、編集者より丁重なメール、お手紙を頂いた次第です。

 

 私は出版については全く知識がなく、本書の値段も1,800円としました。少し凝りすぎた為でしょうか、増刷には一冊5,000円程かかるとのことで増刷は断念致しました。因みに、5年前のことですがアマゾンでは一時、一冊1万数千円との値がついておりました。

 

 補足

 

 下記は本ブログ「淸宮書房」の立ち上げた際の二つの投稿です。


再・木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か・・歴史教科書・『慰安婦』、ポピュリズム]
http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2015/03/18 

再投稿にあたって・・追記 韓国内外に亘って、日を追う毎に高まる韓国の官民挙げての反日行動・発言は止まることはなく、むしろ強まっていると思います。この2月10日、韓国国会議長の、その位置づけ、その立場に関しては、私はよく分かりませんが、慰安婦問題に関して「天皇陛下が謝罪すべき」との報道が日経新聞等でされました。その後の韓国政府の動向に鑑みても、韓国の反日・敵視感情はここまで来たか、との思いは不快を通り越し、強い嫌悪感を持つに至りました。 戦後74年の日本の歩みとは一体何だったのか。新憲法の下、大きく変わった象徴天皇。特に現天皇皇后陛下は皇太子・皇太子妃時代からの火焔瓶を投げられた沖縄慰霊のご訪…

再び・澤田克己著「韓国『反日』の真相」(文春新書)を読んでhttp://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2015/03/17 

再投稿にあたって 約二年前の投稿ですが、木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か」に加筆し、再投稿しました。日韓合意の問題が生じたこともあるのでしょうか、お陰様で多くのアクセスを頂き、私の50編近くに及ぶ拙稿の中、注目記事の一位に取って代わりました。その木村幹氏が直近の文藝春秋平成27年三月特別号で、「慰安婦合意反故『韓国という病』」との表題の下、韓国について極めて注目すべき見解を発表されております。韓国、朝鮮半島の研究者の第一人者である木村氏の見解です。「日本は民主主義や法と正義について正反対の考えを持つ韓国とどのように付き合っていけばいいのか」等々です。僭越ながら共感を覚え、省略になりますが、以…

 

      2019年8月30日

 

                            淸宮昌章