清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

ここ数ヶ月を省みて

 

 

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ここ数ヶ月を省みて

 

はじめに

 

 「反日・反米・親北」で名前を売った盧武鉉元大統領の側近であった、現文在寅大統領の登場で、日韓の関係は最悪の状況になりました。私は予想はしていたとは言え、日本は極めて難しい状況に置かれている、考えております。韓国の現政権にどういう破局が訪れるかはわかりませんが、日本との接点をほとんど持たない文在寅大統領が続く限り、日韓関係の改善はないでしょう。それを前提にして、日本は今後を考えていくこと、ひとつの重大な岐路にあるということではないでしょうか。方や、日本には半島出身の方々が、日本の国会議員等を含め政治的権力をも持っている現状です。その上、そうした方々の人口は減ることはなく、今後の半島状況によって、ますます日本への流入は増えていくことが必然です。いずれにもせよ、日本は極めて厳しい状況下に置かれてきた、と考えます

 

 そうした現状の中、今年1月30日の日経新聞朝刊のコラム「春秋」で中国の「709事件」を取り上げてられておりました。2015年7月に起きた、中国当局による、人権派の弁護士や活動家を200人以上、「国家政権転覆罪」として逮捕、拘束した事件です。昨年12月、懲役4年6ヶ月の実刑判決がでた、当該人権派弁護士の妻・李氏4人が、昨年12月なかば、青空の下で髪を丸刈りにした動画がでたわけです。中国語では「無髪」の発音は「無法」の発音に似ており、妻達による当局への抗議を示したパフォーマンスもの、とのことです。「春秋」では次のように結ばております。

 

 「709事件」では全国で200人以上の弁護士や活動家が一時的に拘束され、うち少なくとも8人は国家政権転覆の有罪判決を受けた。王氏は最後のひとりで、事件そのものは一段落した印象である。だが、人権を守ろうとする人々への迫害は今後も続くとみる向きが多い。王氏への判決後に李さんの流した涙が、胸に痛い。

 

 それとは直接関係はありませんが、月刊誌「選択」の2月号には「韓国が壊すアジアの秩序」、「韓国三・一運動百周年の反日暴走」、「中国経済沈没の大波」等の記事を載せております。

 

 そんな状況下、上記画像の中国に関する著書等を読み進めているところです。気鋭の中国研究者、阿南友亮氏の「中国はなぜ軍拡を続けるのか」は極めて興味深く、読み始めたところです。氏は4歳の時中国を訪れ、小学4年生から北京に住み、中学二年の夏に帰国するまで両親と中学各地を訪れた経験。慶応大学院時代には、北京大学国際関係学院に留学。加えて、中国にも多くの友人を持つ氏による人民解放軍等々の記述は、私にとって、おおいに参考になります。

 

 方や、英国のジャーナリストが著わした「辺境中国」。加えて、モンゴル人の楊海英氏の「モンゴル人の中国革命」等々を合わせ読み込んでおります。いずれにもせよ、あの東西に亘り広大な中国大陸に時差を設けず、北京を中国全土の標準時間とする国は世界で恐らく中国だけではないでしょうか。共産党独裁の中国の価値観は我々の価値観とは大きく異なる、と私は考えております。後日、読み進めている著書につき、改めて私の感想など記したと思っております。

 

 そんな現状・心境ですが、フェイスブックによれば、私が投稿した駄文の注目記事も何故か、ここ数ヶ月で、だいぶ変わってきております。私としては意外な感じもするわけですが、宣伝も兼ね、以下ご紹介致します。ご興味があってのことですが開いて頂ければ幸いです。

 

注目記事

 

 順番を付けますと以下のとおりです。

1.十川信介著「夏目漱石」を読んでみて

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2017/08/19

 

 十川信介著「夏目漱石」を読んでみて はじめに 私の書棚に「三木清全集19巻」、並びに「夏目漱石全集17巻」及び「月報が」鎮座しております。夏目漱石全集の第一巻・我が輩は猫である、は昭和40年12月9日発刊、そして19巻・索引 は昭和51年4月9日の発刊です。毎年の発刊を楽しみにしておりました。そして歳をとったら全巻を一気に読もうとしていたのですが、いまだに取り組めないまま今日に至っております。そこに昨年11月、「漱石没後百年記念」の一環として、近代日本文学を専攻される十川氏による掲題の本書が出版されました。私にとって、何か幸運が訪れたような気持ちになったわけです。加えて、三谷太一郎著「日本の近…

 

2.この3年8ヶ月を省みて

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2018/11/20 

 この3年8ヶ月を省みて このブログ「淸宮書房」を立ち上げ、この11月で3年有余が経過しました。初めの投稿は2015年の3月で、澤田克己著「韓国『反日』の真相」を取り上げ、私なりの感想などを併せ記したものです。その後、加筆をも入れますと、今日までに70数編の投稿となり、ひと月に、ふたつの投稿になるでしょうか。 尚、このブログを立ち上げた動機は、自費出版「書棚から顧みる昭和」の後も、人生の大半を過ごした昭和の時代を、僭越至極ながら、私なりに再検討し、今を考えて観ようとした次第です。と同時に私なりの読書感想を残しておくことも私個人にとって意味があるかもしれないと思ったわけです。誠に恐縮ですが、ブログ…

 

3.牧野邦昭「経済学者たちの日米開戦」を読んで

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2019/01/07

 

 牧野邦昭著「経済学者たちの日米開戦」を読んで はじめに かって、私が参加していた某読書会の慶大経済学卒の畏友・堀口正夫氏より、昨年11月、次の文面が届きました。 昭和15年1月、秋丸次郎陸軍中佐を中心とした調査部が設立された。俗に「秋丸機関」と呼ばれ経済戦の調査研究を目的とし、有沢広巳、中山伊知郎、竹村忠雄,佐藤弘、近藤康男、大川一司、森田優三等多くの学者が集められ、英米班、ドイツ班、ソ連班、日本班に分かれて、経済力、抗戦力の調査を行った。 小生が大学3年生のとき、「原論特殊講義」という外部からの講師を招いて行われる科目があった。その中の一つとして「現代経済論」という、竹村忠雄氏の講座があった…

4.佐伯啓思著『「保守」のゆくえ』を読んで思うこと

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2018/05/14

 

 佐伯啓思著『「保守」のゆくえ』を読んで思うこと まえがき ここのところ、個人的事象につき、数本の投稿をしてきました。今回は本来の軌道に戻り、読書後の私の感想など記して参ります。 佐伯啓思氏の著作については、今まで「淸宮書房」で「日本の愛国心」、「反民主議論」、「アメリカ二ズムの終焉」、「現代民主主義の病理」、「西田幾多郎 無私の思想と日本人」を取り上げてきました。掲題の「保守のゆくえ」は氏の『「脱」戦後のすすめ』に続く後編ともいうべき著作です。今年1月21日に自裁された氏の永年の友人である西部邁の「保守の精神」をできるだけ継承したいとの思いで書

 

5.再・木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か・・歴史教科書・『慰安婦』、ポピュリズム]

http://kiyomiya-masaaki.hatenablog.com/archive/2015/03/18

 

 再投稿にあたって この度、21世紀構想懇談会編「戦後70年談話の論点」を一覧致しました。この懇談会は安倍総理が戦後70年あたり、談話を書きたいとの意向のもとに集められた有識者の談話・討論を纏めたものです。この種の編纂はどうしても纏まりのないものになる傾向は否めず、中国、韓国の歴史認識問題の解決策も、その方向性も示し得ないものになった、と僭越ながら感じた次第です。 昨年12月19日に再投稿した『再び・三谷太一郎著「戦後民主主義をどう生きるか」・・・』の際に、私が「再投稿にあたって」のなかで、改めて加筆した朝鮮半島、特に韓国との歴史認識問題(いわゆる慰安婦問)

 

2019年2月3日

 

                     淸宮昌章