読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

安全保障関連法案に関連して

世相に思う 自費出版「書棚から顧みる昭和」のその後

 

    前月の7月13、20日に「世相に想う」ということで、上記「安全保障関連法案に関連して」との駄文を載せました。現国会で本法案が審議されているからでしょうか、いつもより多くの感想を皆様から頂きました。

 

 高校時代からの畏友による、理路整然とした6項に纏められた法案賛成の趣旨を記されたメール。加えて米国人と結婚され、長年米国で生活されていらっしゃる日本人女性の方から「日頃の想いを(私が)代弁してくれている」との感謝のメールも頂きました。勿論私の視点というか観点というか、私の想いに反対の方も当然みえるわけですが、「論評はしない」とのことです。その本意は論評にも値いしないとのことでしょう。今回はアメリカに見える女性からのご質問にお答えしたことに少し加えながら、私の想いを載せることにしました。

 

f:id:kiyomiya-masaaki:20150817194044j:plain

その御質問は

 

   天皇と皇后は大変なご高齢にもかかわらず、ぺリリュー島など、慰霊にいらしている記事を文藝春秋などで読みましたが、これは日本国民にどのようにとられているのでしょうか。天皇家として最終的な責任を感じていらっしゃるのですか。今日(7月24日)のワシントンポストに大きな写真入で、北京に日本軍の戦争時代の沢山の資料を展示する博物館ができた記事がありました。あれを子供時代から見ていたら日本人がさぞ嫌いになるでしょう。もう両国泥沼って感じでした。

 

私の回答は下記の通りです

 

 回答にはならないかもしれませんが、昭和天皇については私なりの想いもあり、私の雑感を過去にも拙著「書棚から顧みる昭和」でも記したこともあります。改めて今の私の想いを付け加えてみます。

 私の基本的視点は先の大戦そして敗戦について、昭和天皇は大いに責任があるということです。米国の占領政策にも天皇が必要であったことが、昭和天皇が戦争責任を取ることも叶わなかったことも現実であったのでしょう。でも昭和天皇が何らかの責任形態、例えば退位といった形式もあったのではないかと思います。それも望んでも叶わなかったことも占領下の日本が置かれた状況であったのでしょうか。

 

 ただ、戦後は日本の政治家も、知識人も、マスメディアも、そしてその影響を受けた大衆も戦争責任をA級戦犯のみに負わせ、自らは良心の呵責さえも隠し、そして済まし、否、済まさせてきたことに、今の日本の混乱の一つの要因があると思っています。東京裁判の被告とニュルンベルグ裁判の被告とは、そのあり方に関しては大きく異なり、真逆の在り様です。方や、ヒットラー政権下で敗戦となったドイツの戦後のあり方と日本の在り方の比較を述べ、日本を批判する所謂知識人も見えますが、比較の対象というか余り意味のある比較とは私には思えません。  又、お尋ねの現天皇、皇后による長い慰霊の旅ですが、昭和天皇の戦争責任への一生をかけた贖罪の旅、そのものではないかと私は思っています。現天皇は皇太子時代における沖縄への慰霊の旅を始めとして、これからも慰霊の旅は黙して語らず生涯をかけて続けられるものと、私は考えています。そのことについて皆さんがどのように考えられているか私は分かりません。  尚、残念ですがマスメディアが作りあげる国民の声と称するものに、どうやら再び惑わされる状況になってきたと、私は考えております。安全保障関連法案を「戦争法案」と称するものにすり替えさせた共産党をはじめとする野党の手法に、その中身をも知ろうともせず、多くの人が乗せられた、と思います。一方、この安全保障関連法案を分かりやすく具体的に説明することも、対外的な問題に波及し、極めて至難の業であることも現実と考えています。  一方、一般の個人が自らの感じ方を述べるときに何故に「国民」と称するのでしょうか。確かにその方は日本国民ですが、先ず「私は」とか、「自分は」と言わないのでしょうか。そこから物事が始まるのであって、日本国民とか、世論とか個人が軽々しく表現するのは少々、マスメディアに毒されている一つの証左と私は思います。昨今、やたらに「国民」という言葉が巷に氾濫し出しました。私のおぼろげな記憶になりますが戦中の時代を思い起こし、嫌な感じに捉われます。

 私は言論機関及びマスメィアは日本では今以て貧しい状況で、それは戦前も、私が育った戦中も戦後も余り変わっていないと考えております。ただ、例の安保闘争時代とは異なり、私のような考えを持つ人が多くなっているのも、一方の現実と思います。残念ながら、安倍自公政権は安定性を欠き、混乱の時期あるいは時代を迎えるようになると思います。中国、韓国の現政権はそれを期待しているかもしれません。

 2015年8月10日

                             清宮昌章 

                           

参考文献

 井上卓也満州難民」(幻冬舎

 文藝春秋で読む戦後70年 第1巻

 海外事情7・8月(特集 海外事情研究所創立60周年)

 筒井清田忠編「昭和史講義」(ちくま新書)

 選択8月   他