清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

池内了著「ふだん着の寺田寅彦」を読んで

池内了著「ふだん着の寺田寅彦」を読んで はじめに 宇宙物理学者であり、また寺田寅彦の研究家でもある池内了氏が、改めて寺田寅彦を極めて興味深く、思わず笑ってしまうように巧みに筆を進めながら、本書(2020年5月20日発刊)を展開していきます。ご存知のよ…

松永美穂著「誤解でございます」(清流出版)を読んで  

松永美穂著「誤解でございます」(清流出版)を読んで はじめに 宇宙物理学者であり、寺田寅彦の研究者でもある池内了氏の「ふだん着の寺田寅彦」他を読み始めています。「天災は忘れたころにやってくる」との名言は寺田寅彦の著作のどこにも書かれていないそ…

改めて、佐伯啓思著「『アメリカニズム』の終焉」の投稿を省みる

改めて、佐伯啓思著「アメリカ二ズムの終焉」の投稿を省みる はじめに 佐伯氏の著作については、今から5年ほど前になりますが、私がニューヨーク駐在時代(1978年~1984年)の中央信託銀行のニューヨーク支店長(帰国後は副社長)に「日本の愛国心」を紹介さ…

新年にあたり

上記のクイーンズ側から描いたブルックリンブリッジを描いたエッジングの背景にはあるのは、今は無き爆破されたツインタワーです。ニューヨーク駐在時代に買い求めたものです。尚、松飾りは昨年末に友人野田良弘さんから頂いたものです。 野田氏によれば、寛…

コロナ禍にあって思うこと  

再び、コロナ禍にあって思うこと 今読み進めている、アメリカ初の女性国務長官となったオルブライト著「ファシズム(2020年10月1日 発刊)」は極めて興味深い、時期を得た好著と思っています。 本書の題7章で「トランプが大統領に当選したのは、自分は歯に衣…

コロナ禍にあって思うこと

コロナ禍にあって思うこと 今読み進めている、アメリカ初の女性国務長官となったオルブライト著「ファシズム(2020年10月1日 発刊)」は極めて興味深い、時期を得た好著と思っています。 本書の題7章で「トランプが大統領に当選したのは、自分は歯に衣着せぬ…

淸宮書房を振り省みて  

再び 淸宮書房を振り省みて コロナウイ-ルス禍の中、日本のみならず世界経済・政治も甚大な影響を及ぼし、先行きもまったく不透明な深刻さを増している状況です。そのような状況下、アメリカの大統領選挙が行われるわけです。従来からもありますが、何故に急…

木村幹・田中悟・金容民「平成時代の日韓関係」を顧みて              

木村幹・田中悟・金容民「平成時代の日韓関係」を顧みて はじめに その1 日韓関係の問題については、2015年3月の弊ブログの始めの投稿である木村幹著「日韓歴史認識問題とは何か・・歴史教科書・慰安婦・ポピュリズム」(2014年10月発刊)を取り上げ、その後も…

 矢吹晋著「中国の時代の超え方」他を一読して

矢吹晋著「中国の時代の超え方」他を一読して はじめに 上に掲げた著書は、私がここ数週間の中で一読したものですが、相互に関係をもつものではありません。ただ、矢吹晋著「中国の時代の超え方」を読み進める中で、ふと、現在の中国共産党独裁政権を見る上…

姜尚中「朝鮮半島と日本の未来」他を読んでみて

姜尚中「朝鮮半島と日本の未来」他を読んでみて 再投稿(日韓歴史認識問題について) 日韓問題については、弊ブログでも度々取り上げてきました。この4月13日福島原発の処理水を国際原子力機関(JAEA)の承認の下、JAEAの許可の7分の1以下、更に日本国の飲料…

自らの半世紀を顧みて、その後

自らの半世紀を顧みて、その後 親友達と、 於てシーボニア・メンズクラブ 自粛前 再投稿 (補足・加筆) 2022年8月25日に投稿した、弊ブログ『天児著『中国のロジックと欧米思考』」は」思いの外、好評を頂き、109件の投稿の中、上位3位になっております。 お…

改めて、自らの後半の半世紀を顧みて  

再投稿にあたって 本投稿は4年程前の投稿を、今年7月に補足をしたものです。コロナ禍の影響とは直接関係ないと思うのですが、4年ほど前に始めた弊ブログへのアクセスがここ数年に急増し、62,000台となりました。加えて、本投稿は半世紀に亘る個人的な仕事人生…

この一月半、ブログ「淸宮書房」の投稿を省みて

この一月半、ブログ「淸宮書房」の投稿を省みて はじめに 今月4月8日の投稿の「はじめに」において今回のコロナ禍に関して、私なりの杞憂というか、世界恐慌にまで発展する恐れをも記しました。ただし、治療薬が開発されていない現在、必要不可欠な、しなけ…

石井知章・及川淳子編「六四と一九八九 習近平帝国とどう向き合うのか」(白水社)他を読んで  

石井知章・及川淳子編「六四と一九八九 習近平帝国とどう向き合うのか」(白水社)他を読んで 再投稿にあたって(2021年3月24日) 元原稿は昨年4月7日、安倍元総理が緊急事態宣言を発出した翌日の4月8日にコロナ禍にも言及し、投稿したところです。続いて、本年…

加藤陽子著「天皇と軍隊の近代史」(勁草書房)を読んで思うこと

加藤陽子著「天皇と軍隊の近代史」(勁草書房)を読んで思うこと 再投稿 今から20年前の9月11日、4機の旅客機がハイジャックされ、二機はニューヨークの世界貿易センターのツインタワーに突っ込み爆破。一機は国防省本庁舎の西側正面に突入、残りの一機は乗客…

再び・佐伯啓思「西田幾多郎・・無私の思想と日本人」、小林敏明「夏目漱石と西田幾多郎・・ 共鳴する明治の精神」を読んでみて  

再び・佐伯啓思「西田幾多郎・・無私の思想と日本人」、小林敏明「夏目漱石と西田幾多郎・・ 共鳴する明治の精神」を読んでみて 再々の投稿にあたり 夏目漱石に関わる投稿は2017年12月8日元投稿を含め、5本ほどになります。佐伯啓思氏の諸著作、また吉田満に関…

新年に際し

新年に際し 昨年は傷めた右脚も完治し、テニス漬けの日々に戻りました。ストロークのスピードは以前より一段と速くなった、との仲間の評でもあります。一方、右手の痺れがでましたが、フェイスブックの友人の薦め、更には紹介された整体師に通い、だいぶ改善し…

松富かおり著「エルドアンのトルコ」(中央公論社)を読んでみて

松富かおり著「エルドアンのトルコ」(中央公論社)を読んで はじめに 本書が発刊された2019年7月25日の三日後、偶々、日経新聞がトルコによるロシア製の地対空ミサイルシステム「S400」の搬入に対し、米、トルコは亀裂を広げるな、との社説を載せました。ト…

ブログ『淸宮書房」について

ブログ「淸宮書房」について その1 淸宮書房の発端と今 今から4年ほど前になりますが、数ヶ月後に75歳になる2015年3月15日にブログ「淸宮書房」を立ち上げました。その意図は、2014年に拙著「書棚から顧みる昭和」を出版した後も、引き続き読み込んだ著書について、…

ここ一ヶ月を省みて

ここ数ヶ月、右手のしびれの為、パソコンが打てず、ブログの更新が滞っております。ただ、お陰さまでアクセスは32,000に近づいております。 方や、拙稿の注目記事と称される、一番から五番の順位が最近、大きく変わってきております。私としても不思議に思うと…

近況のこと

近況のこと ここのところ、体調が今ひとつで、読まなければならない本が溜まる一方です。取り寄せた楊継縄著「文化大革命五十年」、並びにフランク・デイケーター著「毛沢東の大飢饉」も大著で読み応えはあるものの、まだ読み終わっておりません。尚、「文化大革命…

佐伯啓思著「『アメリカ二ズム』の終焉』の投稿を省みて

佐伯啓思著「『アメリカニズム』の終焉」の投稿を省みて 再々の拙稿にあたって 佐伯氏の著作については、今から4年ほど前になりますが、私がニューヨーク駐在時代(1978年~1984年)にお世話になった信託銀行の支店長(帰国後は副社長)に「日本の愛国心」を…

ノートルダム寺院に思うこと、他

ノートルダム寺院に思うこと、他 ノートルダム寺院の火災 日本時間の4月16日未明、ノートルダム大聖堂の火災について、日経新聞のコラム「春秋」に、1950年7月の京都の金閣寺が放火で焼け落ちたことに触れながら、私には印象深い、以下の文章が載っておりま…

三ヶ月が経って

三ヶ月が経って はじめに ここのところ投稿のペースが落ち、月一回になっております。その落ちた要因は体調の為か、読書量が落ちたこと。加えて、取り上げた著書の内容が濃く、関連著書、更には、かって読み込んだ著書にも立ち返る必要があったこと、にもよる…

阿南友亮著「中国はなぜ 軍拡を続けるのか」他を読んで

阿南友亮著「中国はなぜ 軍拡を続けるのか」他を読んで 再投稿にあたり 2019年3月2日の日経新聞の「米、WTO改革で提案」に記事によれば、スイスのジュネーで2月28日に開かれた世界貿易機構(WTO)の一般理事会で米国が中国などを念頭に、経済発展を遂げた国…

ここ数ヶ月を省みて

ここ数ヶ月を省みて はじめに 「反日・反米・親北」で名前を売った盧武鉉元大統領の側近であった、現文在寅大統領の登場で、日韓の関係は最悪の状況になりました。私は予想はしていたとは言え、日本は極めて難しい状況に置かれている、考えております。韓国の…

牧野邦昭「経済学者たちの日米開戦」を読んで

牧野邦昭著「経済学者たちの日米開戦」を読んで 再投稿に際して 元投稿は2019年1月に投稿したものです。その前年の11月、私より数歳上の畏友・堀口正夫氏より、掲題の本書を紹介頂きました。と共に、氏が慶大の3年次の時、本書に登場する竹村忠雄と出会い、そ…

この3年8ヶ月を省みて

この3年8ヶ月を省みて このブログ「淸宮書房」を立ち上げ、この11月で3年有余が経過しました。初めの投稿は2015年の3月で、澤田克己著「韓国『反日』の真相」を取り上げ、私なりの感想などを併せ記したものです。その後、加筆をも入れますと、今日までに…

池田信夫「丸山眞男と戦後日本の国体」を読んで  

再々投稿に際して 本投稿は4年程前の投稿に、2021年3月、更に2022年9月に新たな事象を加え補足をしたものです。コロナ禍の影響とは直接関係ないと思うのですが、4年ほど前に始めた弊ブログへのアクセスがここ数年に急増し、お陰様で62,000台半ばとなりました…