清宮書房

人生の大半を過ごしたとも言える昭和を自分なりに再検討し、今を見てみようとする試みです。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

多田井喜生著「昭和の迷走 第二満州国に憑かれて」を読み通して

はじめに 雑感 著者は1939年生まれで日本不動産銀行(日本債券信用金庫)、日本総研を経て退職され、「朝鮮銀行史」を含め数多くの著作を出されています。本書は2014年11月に発刊されました。大陸計略の黒幕であるという勝田主計蔵相の日記等の一次資料を長…

再び・日韓、日中の関係(相互の嫌悪感)・・・地政学的な危機(その2)

(注)2018年1月22日の続編です 今、思うこと 昨今の週刊誌、テレビ、新聞等のマスメデイアによる報道振りを見るにつけ、その真意、あるいはその信憑性は別として、私は戦前の新聞報道による劇場型政治へ意図的展開の状況を思い起こします。1925年の「朴烈怪…

再び・日韓、日中の関係(相互の嫌悪感)・・・地政学的な危機(その1)

再投稿にあたって 本投稿は二年ほど前のものです。今月1月18日の投稿に結果的に続くような、一連の日韓歴史認識問題にも言及した、2013年2月に発刊された三谷太一郎氏の著作等への私の感想等を記したものです。氏は2002年から2005年に亘り、「日韓歴史共同研…

自費出版「書棚から顧みる昭和」(言の栞舎)のその後

はじめに 平成26年4月、「書棚から顧みる昭和」(言の栞舎)の自費出版の後、お読み頂いた諸先輩、友人達からは身にあまる好評、多くの方々からも相応の反応を頂きました。また、資料として参考にさせて頂いた月刊誌「選択」、拓殖大学海外事情研究所にも、恥…

イアン・ブルマ「廃墟の零年 1945」(訳 三浦元博・軍司泰史 白水社)を読んで

勘違いされる方はいないと思いますが、著者は1951年、オランダ生まれのアジア研究者です。「Gゼロ後の世界」を著したイアン・ブレマー氏ではありません。 偶々、日経紙上で掲題本書の書評を見、一読いたしました。私にとっては、やや期待外れの感もありますが…